ストーリー重視!珠玉のウミガメのスープ問題2題【本家リスペクト】

今回の記事では、東大で趣味でウミガメのスープを作っている私がストーリー重視の水平思考クイズ(ウミガメのスープ)を作問してみました。

 

www.youtube.com

 

 

なぜストーリー重視か?

 

 

水平思考クイズがはやるきっかけとなった「ウミガメのスープ」は、単なる「クイズ」の域をはるかに超えた深いストーリーで瞬く間に不動の地位を獲得しました。

 

ところがネットの問題にはあまりストーリー重視の問題はあまりなく、質問なしで即答できるようなものもあったため、試しに作ってみた、という感じです。

 

ただめちゃくちゃ難しいですよ。

特に第二問「桜の樹の下には」は、ストーリーを長く作ったので、「水平思考クイズのなかに水平思考クイズがある」と言わしめたほどです。

 

ちなみに作ってみた問題を友人に出題してYouTubeに上げたりもしてるので見てみて下さい(下の動画は意味怖路線であんまりストーリー重視じゃないですが笑)

 

www.youtube.com

 

第一問 湖の主 難易度★★★★★★★★☆☆

湖の「主」を倒そうと村人たちが立ち上がった。片腕の男は、あれは人が敵うものではないと説得したが、村人たちは湖に出かけた。そして、片腕の男は処刑された。

いったいどういうこと?

 

第二問 桜の樹の下には 難易度★★★★★★★★★★

「木の下に死体が埋まっている」という噂を聞きつけた子供は、人形を掘り当てた。子供が人形を投げると、子供の頭に穴が空いた。

いったいどういうこと?

 

※解答は下の方にあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

————————————————————————————————————

————————————————————————————————————

第一問 湖の主 解答

昔、湖に現れた「主」が人を食って湖に来る人間を殺していた。村は魚が取れず飢えに苦しんだ

 

男はかつて勇敢な漁師であり、昔、腕を代償に湖の主を釣り上げることに成功した。

男は賞賛され、やがて村の長となった。男は村のため必死に働いた。湖の資源は村で自由に使えるようになり、村は潤い、人口も増えた。

 

ところが、しばらくすると人間が湖を荒らすようになり、湖は様変わりした。

魚は消え、ゴミが捨てられ、異臭を放つ湖。村には病気が蔓延し、増えた人口に対し食料も不足、人々は苦しみ、多くの人が命を落とした。

 

やがて湖の存在も、男の功績も忘れられてしまった。男は責任を感じ、村を出た。

 

男が老人になった頃、ふと村へ戻ると、再び魚が戻り始め、ゴミは浄化され、湖はかつての美しさを取り戻しつつあった。

 

男は考えた。「このままでは再び同じことが起きてしまうかも知れない。『主』はもういないが、『掟』として作ってしまえばいい。」

 

男は村人たちに言った。

「湖には「主」がいる。人を食う。湖を綺麗に使い、魚も取りすぎないようにすれば問題ないが、この掟を破れば、自分のように腕を、いや、全身をも食われるぞ。」

 

男は過ちを繰り返すまいとしていたのである。

 

しばらくはその生活でうまく言ったが、魚が以前よりも食べられないのを不満に思う者もいた。

 

そしてある日、若い村人たちは「主」とやらを倒せばいいじゃないかと血気だち、武器を持って湖へ向かおうとした。男は止めようとしたが聞き入れられなかった。

 

湖に「主」なんていないことに気がついた若者たちは、魚を男が独占していたと流布し、とうとう男は処刑された。

 

 

 

 

第二問 桜の樹の下には 解答

恋人を亡くした男がいた。

 

恋人は人形が好きで、いつも肌身離さず持っていた。

ところがその恋人は重い持病を持っており、苦痛に耐えかね、とうとう木で首を吊りこの世を去った。足元にはぼとりと人形が落ちており、夜、月明かりに照らされ潤んだ目が、恋人を探しに出た男を、じっと見つめていた。


男は気が狂ってしまった。男は人形を恋人だと思いこむようになった。しばらくは人形のおかげで精神は安定したが、一つ問題があった。男は人形を、高いところに置いてはおけない。恋人の宙にぶら下がるのを想起してしまうからだ。

 

当初ベッドに置いていた人形を床に置くようにしても不安はますます膨らみ、とうとう男は、あの木の下に穴を掘り、人形を深くうめた。

もう二度とあんなめにあわないように。

 

男はそれから毎日のように木へ通った。そしてある日、空を舞う人形を目にした男は、恋人をあろうことか空へ投げ飛ばした子供を、石で穴が開くまで滅多打ちに殺害した。